私は元国税調査官です。
国税局や税務署に約24年間勤めておりました。
お客様や知り合った方に、よく聞かれることがあります。
「調査対象者はどうやって選んでいるの?」という質問です。
みなさんご興味があるのだと思います。
今回は国税当局が調査対象者をどのように選んでいるのか説明します。
もちろん退職後も、現職時代に得た情報には「守秘義務」が課せられているので、お話できる範囲でお伝えすることになります。
①各種資料から選ぶ
国税当局には、さまざまな資料があります。
取引資料や資産資料など。
これらの資料を基に申告内容に問題がないか検討します。
②申告された内容から選ぶ
申告されている決算内容から検討します。
具体的には、過去5年程度の決算書の推移をみて不審な科目はないかを検討します。
毎年、売上金額がほぼ一定なのに、ある経費科目が急増しているなど。
また、同業者の申告状況からみて不審な点がないかも検討します。
③実際の店舗や事業所をみて選ぶ
これは、飲食店や小売店などで行われています。
調査官が実際に店舗で飲食などをして、申告内容に不審な点がないか検討します。
また、調査官は管内の状況について常にアンテナを張っています。
・いつも行列ができている飲食店
・高級車が停まっている家
・大きな新築の家
など
このような場所を見つけたら申告内容を確認し不審な点がないか検討します。
まとめ
説明した以外にも、さまざまな方法によって調査対象者は選ばれます。
適正な申告をしていれば、調査が行われても何も心配することはありません。
もし、税務署から調査の連絡があり不安な方は、税理士に相談されることをお勧めします。